年末雑感 / Dior , RafSimons , Midjourney

こんばんは。
今年もあと2日となりましたね。
私は明日アトリエの大掃除をして仕事納めとなります。
先日amazon primeに「Diorと私」(2015 )があったので観てみました。
公開から7年も経ってる。
色々見逃しまくっている私です。
現在東京では大規模なDior展が開催中。
今年はラフ・シモンズが自身のブランドを終了したというニュースもありました。
映画の内容はラフ・シモンズがジルサンダーを去った後に就任したDiorで初めてのオートクチュールコレクションの
舞台裏のお話。
その中で「ラフはデザイン画を描かない。ファイルを用意するだけだ。」
というくだりがあって、そのファイルを受け取ったスタッフたちがそれぞれにファイリングされたビジュアルの情報を解釈し、ボディ上でドレーピング(立体裁断)していく様子が映されました。
これを観ていて、今年話題になった画像生成AI「midjourney」のことを思い出しました。
使ったことありますか?
私は話題になった時にほんの少しだけ触った程度なのですがあれは自分がイメージするキーワードをいくつも並べると
そのキーワードから画像が自動生成されるものです。
ラフが用意したファイルはまさにそのキーワードの様なものでそれを解釈するスタッフたちはそれを受けてドレスを作り出していくわけです。
もちろんAIではないので一流の才能と技術経験を持つスタッフが大変な苦悩をしながら1枚のドレスをデザインし、
縫い上げまで行います。
壮絶な手仕事と共に。
デザインや音楽などクリエイティブの分野でもAIの技術というものはどんどん入り込んできているのだと思うのですが、
AIがこの熟練のDiorスタッフの様に素材のクセや重量感や実際の着心地や縫製の始末に関することまで考慮しながら
ニュアンスの様なものまでも含めた立体的デザインをして実物化するところまではまだまだ遥か遠いことだなと思いながら観ていました。
途中でスタッフが張りかふくらみだかを出すのにパットのようなものを貼っていて、きっとそれは重いしラフは気に入らないみたいなことをリーダーの女性が指摘したりするんだけど、洋服作りってまさに目に見えない部分に沢山悩んで推敲したポイントがあって、こういうところ含めてデザインだよねと実感するシーンでした。
解釈して現物に展開するまでがデザインだけどそこは結局まだまだ人にしか出来ない部分になるんだろうな。
とはいえAIが生成したデザインを自動でパターン化したものを最終的に人が微調整して仕上げたものをこれが「新しい美」ですよ的な提案がされる日はなんだかありそう。
私が知らないだけでもうあるのかも。
刺激的で斬新なデザインが得意そうだし、今流行りの平面的で装飾的な洋服とは相性良さそうです。
そしてイメージの展開力は凄そうなので
バリエーションの描き出しは得意な感じがします。
抑えたデザインだけど着るとなんかめっちゃいいんですよね、というものができるまではまだまだ時間がかかりそうと思ってしまうけどどうなんでしょうか。
来年はドレーピングと諦めずどこまでも推敲!と思えた映画でございました。
そんな未来の服作りにも思いを馳せた2022年も残すところあと二日。
今年はアクティブに動いただけあってもはや疲労困憊ですが多くの方々に支えられてやり切れました。
ありがとうございました。
それでは良いお年を。
RIVER 服部陽子
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